MotoGPの“裏側”を訪ねて|アルパインスターズのホスピタリティで「No.1」のランチを実食
MotoGPの現場から、普段はなかなか見られない部分をお届けする「MotoGPの“裏側”を訪ねて」シリーズ。第3弾はアルパインスターズのホスピタリティをご紹介する。
アルパインスターズのホスピタリティでレジェンドに遭遇
ホスピタリティとは、MotoGPのレースウイーク中にパドックに建てられる、各メーカーやチームの簡易施設のことである。レースウイーク中、チームのスタッフやライダーが食事をしたり、ミーティングをしたり、ゲストを迎えるのに使用される。一見すると立派な建物のようだが、すべて移動式。レースが終われば解体されて、次のサーキットへ向かい、またそのサーキットで設営される。
ヨーロッパは陸続きなので、ホスピタリティも転戦する。フライアウェイでもホスピタリティ自体はあるけれど、ヨーロッパで見られる豪華なホスピタリティは、ヨーロッパで開催されるMotoGPならではのものだ。
今回は、アルパインスターズのホスピタリティでランチをいただく機会をもらったので、ご紹介したい。
ドアをくぐると、まずヘルメットが並んでいる。アルパインスターズは2023年からMotoGPライダーへのヘルメットのサポートを行っているのである。2025年は、ホルヘ・マルティン、ペドロ・アコスタ、ジャック・ミラー、それからMoto3ライダーの古里太陽をサポートしている。

アルパインスターズのホスピタリティ外観。1階建てのホスピタリティである©Eri Ito

ドアが開くとヘルメット「スーパーテックR10」がお出迎え©Eri Ito
食事は多くのホスピタリティがそうであるように、ビュッフェスタイル。そこはイタリアン・メーカーのアルパインスターズなので、料理もイタリアンで、パスタやピザなどが並んでいた。わたしはクリームソースのニョッキをいただいたのだが、もちもちとしていてソースも濃厚でとてもおいしかった。「ティラミスが絶品!」という話だったのだけど、すでに品切れだったのは残念だった。

料理は部屋の中央にセットされていて、ここから取っていくビュッフェスタイル©Eri Ito

チーズの入ったピアディーナも絶品©Eri Ito
じつは、アルパインスターズのホスピタリティの食事は美味しいと、うわさには聞いていた。よくよく話を聞けば、2024年のホスピタリティ・コンペティションで(すべてのホスピタリティが参加したわけではないそうだけれど)、優勝したのだとか! 実際に食べて、納得である。
ところで、ホスピタリティを展開するのは各メーカーやチームが主だ。レーシングスーツやヘルメットをサポートするアルパインスターズのようなサプライヤーのホスピタリティというのは、珍しいかもしれない。
アルパインスターズがパドックにこうした立派なホスピタリティを持っているのには、もちろん理由がある。メディア・リレーションズ・マネージャーのクリス・ヒラードさんによれば、ゲストのもてなしのほか、ライダーなどとのコミュニケーションをとる場所として活用されているとのこと。例えば、フランチェスコ・バニャイアは、レースウイークの土曜日には、ドゥカティのホスピタリティではなくてこちらで自分のチームスタッフと食事をするそうだ。
そんな話を聞いていたら、「やあ」とクリスさんにある男性が話しかけてきた。よくよく見ると、ジョン・マクギネスではないか。マン島TTレースのレジェンドライダーで、2025年もホンダ・レーシングUKから参戦した大ベテランである。

見切れていて申し訳ないのだけど、左端に映っているのがマクギネス。ブルノに来ていたのだ©Eri Ito
周りを見渡せば、マクギネスだけではなくライダーや見知った関係者、ジャーナリスト、フォトグラファーなどがやって来てランチをとったり、立ち話に花を咲かせたりしている。なるほど、クリスさんが言っていたのはこういうことなのだろう。アルパインスターズのホスピタリティは、ライダーや関係者、メディアなどとのコミュニケーションの場として機能しているのだ。
それにしても、ティラミスは食べてみたかった。次の機会を待つことにしよう。

パスタは2種類。ニョッキとペンネ©Eri Ito

オムレツや肉団子のようなメニューもあった©Eri Ito

野菜ゾーン。野菜のメニューが豊富なのもうれしい©Eri Ito

もちろん生ハムもかかせない©Eri Ito
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