複雑な状況でQ2ダイレクト進出を果たした小椋藍、土曜日の展望は?|MotoGP開幕戦タイGP金曜日

MotoGP開幕戦タイGPの現地取材から。小椋藍選手の金曜日の記事です。
伊藤英里 2026.02.28
誰でも
©Eri Ito

©Eri Ito

転倒を喫するもプラクティスでトップ10入りを果たす

開幕戦タイGPの金曜日は、複雑な天候となった。昼頃から雨粒が落ちてはやむ、を繰り返す。15時から行われたMotoGPクラスのプラクティスでは、雨が降っていることを知らせるレッドクロスのフラッグが振られては収められ、また雨が降り出してレッドクロスのフラッグが振られる。その繰り返しだった。

風も強めで、その代わりに暑さはやわらいだ。いずれにしても、ライダーたちは複雑なコンディションでタイムアタックを行わなければならなかった。

もちろん、小椋藍も例外ではない。

小椋は、プラクティスの終盤に7コーナーで転倒を喫した。囲み取材で小椋が説明したところによると、「2回目のタイムアタックにいって、少し雨粒が落ちてきたのがわかったのでゆっくり2周しました。そのあとピットに戻って、数分間ピットにいてからまたコースインしたのですが、タイヤが冷えていたんですね。それでクラッシュしました」ということだった。複雑なコンディションに足をすくわれた形となった。

小椋によれば、このようなコンディションの場合、状況次第で動く「しかない」という。

ライダーによってはアタックのタイミングが合わずにQ2ダイレクト進出を逃した選手もいる。例えば、フランチェスコ・バニャイア。変更したセッティングの方向が間違っていたこともあり、どんどん雲がやってきているのを見て焦ってしまい、タイミングが悪いなかでのタイムアタックとなった。

小椋もまた、転倒によって本来のタイムアタックでタイムを更新できなかったが、それ以前に記録していた1分29秒579のタイムで、9番手でプラクティスを終え、開幕戦はQ2ダイレクト進出を果たした。タイムアタックのタイミングも含め、難しいセッションだったのだ。

「これまでの(最高峰クラスでの)レースをすべて含めて考えて、今回がいちばん上位で走れていると思います」と、本人は自分自身を評価する。小椋曰く、土曜日の予選は「2列目以内ならすごくいいと思います」ということだ。

小椋のレース後半の強みを生かすには、レース前半で上位をキープできるところからスタートする必要がある。6番手よりも前のグリッドを獲得できれば、好結果の期待はかなり膨らむだろう。

ただ、一方で懸念もある。「今回は、スタートが不安で仕方がない」と言うのだ。

「例えば5回スタートしたら、2回はスピンしてしまうんです。一番大きな理由としては場所ですね。汚れているわけじゃないと思うんですけど、トラックがカチッとしてなくて……。最初はグリップしていても、完全に(クラッチを)つないでパワーが来たときに滑り始めたりもするので、ちょっとね、ライダーもどうなるかがあまりわからないというか。スタート、すごく怖いですね」

「最終コーナーを立ち上がったあと、(メインストレートで)ある程度、みんなが通っていくような場所はきれいですが、誰も通らないようないちばん右側などは本当にひどいです。だから、今回の場合はグリッドが6番手より5番手、5番手より4番手の方がいい(前のグリッドがいい)、というわけでもないんですよね。すごく難しいと思います」

グリッド順とともに、どの「場所」からスタートするのかもポイントになるということだ。開幕戦の小椋がどのグリッドと「場所」からスタートするのか、そしてレース序盤の位置取りを含めて注目したい。開幕戦の予選とスプリントレースが、まもなく始まる。

小椋藍のアプリリアRS-GP。2026年型だが、ファクトリーチームとトラックハウスでは、テールの空力デバイス形状が異なっている©Eri Ito

小椋藍のアプリリアRS-GP。2026年型だが、ファクトリーチームとトラックハウスでは、テールの空力デバイス形状が異なっている©Eri Ito

ファクトリーチームのテールの空力デバイス。小椋はファクトリーチームがこの形状を使用しているのを知らず、「それは興味深いですね」と囲み取材で語っていた©Eri Ito

ファクトリーチームのテールの空力デバイス。小椋はファクトリーチームがこの形状を使用しているのを知らず、「それは興味深いですね」と囲み取材で語っていた©Eri Ito

無料で「GPジャーナル」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
GPジャーナルおよび伊藤英里の活動に関するお知らせ
誰でも
ギャラリー&ノート|東京モーターサイクルショー2026で見つける“Mo...
誰でも
ピーター・ボムのMotoGP技術解説|「スタートという極限のストレス」...
誰でも
ギャラリー&ノート|日本人ライダーのヘルメット一挙紹介【2026年版】...
誰でも
ギャラリー&ノート:タイGP|開幕戦のパドックから
誰でも
ちょい堀りMotoGP|なぜその番号? 日本人ライダーのゼッケンの由来...
サポートメンバー限定
ヤマハ、V4で迎えた開幕戦。パオロ・パヴェシオが語る現状|MotoGP...
サポートメンバー限定
M.マルケスに何が起きたのか。縁石ヒットとリタイアの状況|MotoGP...