MotoGP第16戦サンマリノGP|小椋藍、カタルーニャ6位が示す強み
カタルーニャGPで6位を獲得した小椋。
その要因は何だったのか。
連戦となるサンマリノGPの週末の展望は……。
サンマリノGP木曜日、ミサノ・サーキット現地で小椋藍に聞いた。
路面グリップの低いカタルーニャでタイムの落ちを抑えた走り
第15戦カタルーニャGP決勝レースで、小椋藍は6位という自己ベストリザルトに次ぐ好結果を獲得した。
レース終盤、残り2周で小椋は前を走っていたフランチェスコ・バニャイアをオーバーテイクした。さらにルカ・マリーニをもかわして6番手に浮上し、これが6位獲得を決めた周となったわけだ。
序盤からほとんど同じポジションを走っていた小椋とバニャイアのラップタイムを確認すると、その推移はほとんど同じである。差ができたのはまさに小椋がバニャイアをかわした終盤だ。小椋は最後まで1分41秒後半のタイムをキープしていたが、バニャイアは残り2周で1分42秒前半までラップタイムを落としていた。
このときの状況をサンマリノGPの木曜日に小椋に確認すると、「彼(バニャイア)のほうが苦しい状況だったと思います」ということだった。
「僕は残り5、6周くらいで、『もう攻めてもタイヤを壊さずにゴールできるかな』と思ってスパートをかけました。でも、もう少し早くスパートをかけてもタイヤはもってくれたと思います。その判断は難しかったですね。スパートをかけて相手(バニャイア)の動きを見てみたら、相手は何もできない感じだったので、僕のほうが状況はよかったと思います」
ここで浮かび上がってくるのは、Moto2時代から変わらない小椋の強みだ。バルセロナ-カタルーニャ・サーキットは、路面のグリップが低いサーキットである。こうしたサーキットの場合、小椋は他のライダーに比べてタイムの落ち幅を抑えることができる。これが、Moto2時代にレース終盤での強さを生んできた。小椋のストロング・ポイントは、MotoGPクラスでも変わっていない。
「そういうところは少しあるんじゃないでしょうか」と、小椋も認める。
「(開幕戦で5位だった)タイも似たような感じでした。グリップが悪いところの方がいいですね」
一方で、路面グリップが高いサーキットに課題を持っている。
「みんなが苦戦しているときのほうが周りと比べて落ち幅がないんですけど、逆にグリップが高いサーキットで、僕はみんなほどの上がり幅を得られない感じです」
路面グリップが高いサーキットでは、周りほどタイムを上げられないため、それが差となって順位に響いてしまうということだ。
「グリップが高いサーキットのときは、みんな、オートバイの上でもっと頑張れる。頑張り方をわかっているんです。自分が頑張った分だけ、バイクが応えてくれるという状況になります。でも、僕はそこまでいけてないのか、頑張り方があまりわかっていないのか、グリップが高いときにあまりタイムにつなげられない。それが難しいですね」
サンマリノGPが開催されるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは路面グリップがいいサーキットだ。小椋も「どうでしょうね。難しいかなと思ってますけど……」と正直な展望を述べていた。
とはいえ、MotoGPルーキーの小椋は、マシンのパフォーマンスの引き出し方も含めて習熟の最中にある。すでに「厳しい状況」でのマネジメントができているなら、「上げ幅」を大きくすることができれば、コンスタントに獲得できるポジションは上がるはずだ。
(トップ画像©Trackhouse Racing)
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