【NEWS】MotoGP第12戦チェコGP|スプリントで接触、転倒リタイアの中上貴晶、右膝の後十字靭帯断裂で決勝レース欠場

MotoGPチェコGPの土曜日、スプリントレースで転倒した中上貴晶選手の状況をお伝えします。
伊藤英里 2025.07.20
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MotoGP第12戦チェコGPスプリントレースで、ソムキアット・チャントラの代役として参戦した中上貴晶が転倒を喫してリタイアした。中上は、この転倒により右膝の後十字靭帯を断裂し、決勝レースは欠場となることがチームにより発表されている。

状況としては、こうだ。スプリントレースの2周目の3コーナーで、中上の左後方に飛び込んだワイルドカード参戦のアウグスト・フェルナンデスがスリップダウンを喫した。フェルナンデスのちょうどアウト側にいた中上は、巻き込まれる形で転倒したのだ。

当初、イデミツ・ホンダLCRのプレスオフィサーからは「大きなクラッシュでしたが、タカは無事です」と知らされていた。しかし、その後の情報によると、本人が右膝の痛みを訴えたためにメディカルセンターで診察を受け、当初は打撲と見られていたが、後に右膝の後十字靭帯の損傷と診断されたということだ。今後はMRI検査によって損傷の度合いを確認することになる。同時に、決勝レースの欠場も発表された。

こうした状況のために、土曜日の囲み取材はキャンセルされた。ただ、プレスオフィサーが中上本人の語った音声コメントを送ってくれたので、これをお伝えしたい。音声で聞く限りは(動画ではないので声で判断するほかない)、いつもの中上のコメントに聞こえた。もちろん、右膝以外は、ということになるのだろうが。

「残念ながら、スプリントレース序盤、3コーナーでアウグスト選手の転倒に後ろから巻き込まれてしまって、転倒した際に、右膝を怪我したみたいです。転倒直後はひどい痛みもなくてなんとか歩ける状況ではあったし、今も痛みはないんですけど、少し時間が経ってから右膝に違和感があったんです。メディカルチェックを受けたら右膝の後ろの十字靭帯が損傷しているということで、残念ながら明日のレースの出走許可が得られず、明日すぐに日本に帰ることになりました」

中上を巻き込んで転倒したフェルナンデスは、囲み取材で開口一番に「最初に、タカには申し訳ない気持ちだよ。それから、チームにもね。僕のミスだったから……」と認め、何度も中上とチームへの謝罪を口にしていた。

「ブレーキングポイントよりも少し早めにブレーキをかけてしまったんだ。それで、前のバイクのスリップストリームに吸い込まれてしまって、このままだと接触すると思ったから、当たる前に自分からバイクを倒そうとした。衝撃をできるだけ小さくしようとしたんだけど……」

中上の負傷は残念ではあるが、今回に関しては「レーシング・アクシデントだった」ということに終始するだろう。

中上が日本で手術を受けるかは未定とのこと。数日中にも続報があると見られる。

©Honda

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