ギャラリー&ノート:MotoGP第12戦チェコGP|ブルノのサーキット、パドック、ピット…初めての風景を切り取る

チェコGPの現地取材から、写真とテキストでブルノ・サーキットの雰囲気をお伝えします。
伊藤英里 2025.07.27
誰でも

ギャラリー&ノートは、わたし伊藤英里が現地で撮影した写真をメインにした記事です。今回は、チェコGPの現地取材からお送りします。

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チェコGPは2020年以来、5年ぶりの開催でした。わたし伊藤にとっては、初めてのチェコ、初めてのブルノ・サーキットとなりました。

ブルノ・サーキットはブルノの街から20kmほどの場所にあるので、ホテル……というかホステル(一人部屋、キッチンとトイレ、バスは共用)はブルノにとりました。水曜日には夕方にひどい夕立があって、風も折り畳みの傘が壊れるくらいに強かったです……。けれど、雨が上がったあとにはきれいな夕焼けと虹を見ることができました。

©Eri Ito

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街を歩いていると、ガソリンスタンドでフェラーリのF1ドライバー、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールに出会いました。こうした広告にF1ドライバーやMotoGPライダーが起用されているのは、彼らの認知度がある程度高い国です。スーパーマーケットでもエナジードリンクのモンスターのポップにフランチェスコ・バニャイアが登場しているのを見かけました。

©Eri Ito

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……などと思っていたら、チェコGPは週末を通じて22万人の観客を集めたそうです。

ブルノ・サーキットは1930年にサーキットの歴史が始まっています。当時は「マサリク・サーキット」という名称で、公道を使用したコースでした。マン島TTレースに代表されるように、当時は公道レースが当たり前だったのですね。イタリアのムジェロ・サーキット、ドイツのザクセンリンクやオランダのTT・サーキット・アッセンなども、公道コースからクローズド・サーキットへの変遷を経ています。ル・マンなどは、現在も四輪の耐久レース(WEC/FIA世界耐久選手権)で一部公道が使用されていますね。

多くの観客を集める理由の一つには、そんな深い歴史があるのでしょうか。とても興味が引かれるところです。

現在のクローズド・サーキットになって、1987年にロードレース世界選手権が開催された当時は、まだこの国はチェコスロバキアでした。当時を知る人曰く、「国境を超えるのが大変だった」のだそうです。

さて、こちらがサーキットのエントランスです。この先がパドックになります。写真は金曜のもの。木曜日と金曜日は、天気が悪かったのです。金曜日にいたっては、Moto2クラスのプラクティス中にスコールのような大雨になり、MotoGPクラスのプラクティスのスタートが遅れたほど。そうかと思えばプラクティスが終わった後に、青空が……。聞いた話では、森に囲まれたブルノ・サーキット周辺は天気が変わりやすいのだとか。土曜日と日曜日は晴れが続いたので、幸運だったのかもしれませんね。

©Eri Ito

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チェコGPのポスターは、左からフランコ・モルビデリ、フェルミン・アルデゲェル、フランチェスコ・バニャイアがピックアップされていました。この人選、チェコで人気があるライダーなのでしょうか……?

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ピットレーンです。ピットの数は少なくて、Moto2、Moto3クラスのチームの多くはテントピットでした。

©Eri Ito

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ピットレーンでピットの写真を撮っていると、ヤマハのテストライダー、アンドレア・ドヴィツィオーゾとヤマハのMS開発部長、鷲見崇宏さんが密談(!?)しているのを発見しました。

鷲見さん:「新しい空力デバイスについて、君の意見を聞きたい」

ドヴィ:「もちろん! 性能? それは……哲学的な話になるけどいい?」

という会話があったとかなかったとか……(※この会話は妄想であり、実際ではありません)。

©Eri Ito

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こちらはMoto2、Moto3クラスのテントピットです。常設ピットに入り切らないチームがテントピットを使います。チェコGPでは、ホンダ・チームアジア(國井勇輝、羽田大河、古里太陽)、RW-イドロフォーリャ・レーシングGP(佐々木歩夢)、フリンサ-MTヘルメット-MSI(山中琉聖)などが、テントピットでした。テントピットは常設ピットから少し離れているので、セッション中は柵で囲われたパドックを通過してコースインしていきます。

©Eri Ito

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現在、ヨーロッパのグランプリでは、パドックバイクは電動バイクのみとなりました。音が全くしないので、後ろから接近しているのがわからず、何度か怖い思いをしたことがあります。電動バイクは音がないことがメリットでありデメリットかもしれないな、というのがMotoGPのパドックで感じたことです。

©Eri Ito

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日曜日の決勝レース後のトップ3会見の様子です。優勝したマルク・マルケス、2位のマルコ・ベツェッキ、3位のペドロ・アコスタ。5年ぶりに開催のチェコGPで、ドゥカティ、アプリリア、KTMの3メーカーが表彰台に上がりました。

©Eri Ito

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会見中、トロフィーはライダーの足元に置かれています。これはどのグランプリでも同じです。しかし、せっかくのトロフィーなのだから、置き場所を作ってあげたらいいのではないの? と思ってしまいますね。チェコGPのトロフィーの形状は、ブルノ・サーキットを模しています。

©Eri Ito

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最近ではMoto2、Moto3クラスのトップ3会見の場所が変わり、以前の会見場ではなく、囲み取材の場所で行われています。こちらはMoto3クラスで優勝したホセ・アントニオ・ルエーダのトロフィーとヘルメット、プロセッコ。こうしてセッティングされて、ライダーはテレビ取材を終えた後にやって来ます。

©Eri Ito

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囲み取材の様子はこちら。小椋藍選手です。どのグランプリでもこのような背景パネルとテーブル、イスが用意され、我々ジャーナリストはそのテーブルを取り囲むようにして取材をします。

©Eri Ito

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ソムキアット・チャントラ選手の代役参戦だった、ホンダのテストライダー、中上貴晶選手。写真は金曜日の囲み取材の様子です。2024年まで所属していたイデミツ・ホンダLCRからの代役参戦で、チームスタッフもほぼ変わっておらず、「温かく迎えてくれて、スムーズにチームになじめています」と語っていました。けれど、残念ながら、中上選手は翌日のスプリントレースで他車に接触され、右膝を負傷し、決勝レースは欠場となりました。

©Eri Ito

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チェコGPのギャラリー&ノートでした。

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